日本で「DRAGON BALL」をご存知ない方は相当少ないだろう。
作品を見たことがなくても、多くの人は名前くらいは聞いた事があるはずだ。
特に今は新作映画も公開され、あのジンジャータウンで一番えらい金持ちのフィギュアが登場するなど盛り上がりを見せている。
そんな中、人知れずあまりにもごく一部でのみ注目されているキャラクターがいる。
チャパ王である。
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Q.チャパ王って?
A.とにかく凄まじい達人らしい・・・
原作では第22回天下一武道会予選で初登場したキャラクターであり、
武道会の優勝経験者でさすがの悟空も苦戦は必至であると思われていた。
特にアニメでは尺伸ばしのためか原作以上に持ち上げられており、登場時にはピッコロが悟飯を庇って死亡した時と同じBGMが流れた程。
ドラゴンボールZ ピッコロ死亡シーン BGM - ニコニコ動画
・・・まあ、この手のキャラクターのお約束どおり手加減した悟空にあっさりやられてしまうのだが。
そんなチャパ王。天下一武道会で優勝しているだけあって知名度もとにかくすさまじい。
今日は #世界格闘技の日 !
— ドラゴンボールオフィシャル (@DB_official_jp) 2022年6月26日
皆さんはこのキャラクターたちの名前を覚えていますか? pic.twitter.com/mlM5SJlcPd
世界格闘技の日にちなんで天下一武道会で登場したキャラクターたちの画像が貼られている。
リプライを見てみると意外に全キャラクターを覚えている人も多い。
だが中には
など、チャパ王を知らない、あるいは知っている上で心無い発言をする人が見受けられた。
なんなら公式からも「誰?」などと言われた事もある。
【今日の1コマ!金曜日:あんた、誰?】
— ドラゴンボールオフィシャル (@DB_official_jp) 2016年10月7日
悟空余裕出しすぎ#DB30th #ドラゴンボール pic.twitter.com/EXfvVfBz65
※「あんた、誰?」は一時期投稿されていたマイナーキャラの登場する1コマを紹介するシリーズであり決してチャパ王への悪口ではない
また、最近ではドラゴンボールのアニメシリーズで演出や一部劇場版の監督を努めた
上田芳裕氏にパンプットと間違われた。
ルーク・チョンパさんから フォローされたんだけど、今、思い出した。ドラゴンボールで、チャパ王と戦った相手が、ルーク・チョンパ選手で、大昔、キックボクシングに、確か、チューチャイ・ルークパンチャマという選手がいて、かってに自分がコンテ段階で名付けたんだったんだった。
— 上田芳裕 (@yoshihiro_anima) 2022年7月5日
※当該シーンの直前にチャパ王が登場していたため勘違いしたと思われる。(アニメ103話)
これはどちらかと言うとパンプットの知名度が低いため起こった間違いだが、
どうやら世間一般でのチャパ王の知名度はそれ程高くないらしい。
そこで今日はチャパ王の活躍を振り返ってその名を知らしめたいと思う。
■原作
先述の通り、第22回天下一武道会予選で初登場。
「あまりの速さで8本もの腕が見える」と言われる必殺技、八手拳を披露するも悟空に負けてしまう。
その後第23回天下一武道会予選でも悟空と対戦するが首への手刀一発で気絶、2大会連続予選最初の試合で敗退してしまう。
■アニメ
天下一武道会に加え、ピッコロ大魔王編で武道家を狙うタンバリンによって殺されてしまうシーンが追加されている。
この回ではチャパ王の道場(寺院?)や弟子が登場。
作中では予選で負けるシーンしかないが、天下一武道会の栄光ある優勝経験者なだけあり多数の弟子が彼のもとで修行に励んでいる。
『ドラゴンボール』第103話より
この道場だが、信じられないくらいにデカい。
多数の仏像が立ち並び、少なくとも数十人の弟子がいる。
『ドラゴンボール』第103話より
チャパ王が稽古をつけている中央のスペース。後ろには巨大な仏像がある。
仏像はともかく、ロウソクがあまりにもデカすぎる。
最低でも2メートルはあるだろう。
岐阜)巨大和ろうそく奉納 重さ13キロ「上々の出来」:朝日新聞デジタル
一応世の中には巨大ロウソクと呼ばれる物もあるが、それでもせいぜい高さ70センチほど。
このサイズでも職人が丸一日近く掛けて作るそうである。
行事用のため、作るのは年に一度だろう。
2メートルのロウソクを普段遣いしているチャパ王道場はとにかくすさまじいと言わざるを得ない。
また、126話ではドラゴンボールで生き返るシーンも描かれている。
弟子たちが涙を流し喜んでいるあたり人望はあるようだ。
■ゲーム
ドラゴンボールのゲームと言えば近年はZ以降が主流であるが、かつては無印時代のゲームソフトも発売されていた。
『Sparking!』シリーズなど無印時代のキャラクターにスポットライトが当たる機会もあるにはあるが、少年悟空や桃白白など一部のキャラクターに限られる。
そんな中でチャパ王が出演したゲーム作品がなんと6本も確認されている。
ドラゴンボールZ 超悟空伝 -突激編-
初期~ピッコロ大魔王までのストーリーを収録している作品。
原作通り天下一武道会予選の対戦相手として登場。
きちんと八手拳も使う。
顔グラも差分付で用意されているなど、「天下一武道会のいらない奴ら」も丁寧に再現されている。
顔グラだけだがアントン・ザ・グレートも出演している。
ドラゴンボールZ 超悟空伝 -覚醒編-
続編の覚醒編でも登場。
残念ながらバトルはなく一瞬で退場する。原作通りなので仕方ない。
注目すべきは選択肢次第では悟空に「チャパ王」と言わせられる点だろう。
クリリン・ヤムチャ・亀仙人・天津飯・タンバリンなど多数のキャラクターに名前を呼ばれているチャパ王だが、悟空に名前を呼ばれた事は一度もないのだ。
そういう意味では非常に貴重な作品と言える。
ドラゴンボール改 サイヤ人来襲
DSで発売されたRPG。なんと開発はゼノシリーズでおなじみのモノリスソフト。
チャパ王は第23回天下一武道会で登場。
本作の天下一武道会は決勝戦以外ダイジェストのためこのCG一枚だけの出番である。
逆に言えばチチや天津飯と同等の扱いとも言えるだろう。
真面目な話、予選で悟空に負けたおっさんがカットされていないだけで奇跡と言える。
ちなみに会場の中には予選でチャパ王と当たることを知り絶望しているモブがいる。
予選最初の試合がチャパ王対悟空のため、この選手は少なくとも2回戦以降で当たるという事になる。
おそらく彼の中ではチャパ王が勝ち上がってくるのは確実なものとして考えられていたのだろう。
チャパ王の周囲からの評価だけはやたら高いという事が改めて分かるシーンである。
ドラゴンボールオンライン
※資料が全然ないので海外の実況動画を貼っています
結局日本でサービス開始することなく終わってしまったオンラインであるが、なんとチャパ王が登場していた。
初の3Dチャパ王である。
何故か衣装が変更されており、白地にインドっぽい柄が付け加えられている。
ドラゴンボールZ ドッカンバトル
ソーシャルゲームにも登場。
現在最も解像度の高いチャパ王の公式イラストが見られる。
そもそも原作・アニメ以外で描かれることがほぼないのだが。
龙珠最強之戦
このゲーム自体検索してもほとんど情報が出てこないため詳細は不明だが、テンセントが中国で配信しているスマートフォン用ゲームのようである。
中国Tencent、新作『龙珠最強之戦(ドラゴンボール最強バトル)』の事前登録を実施中…登録者は690万人に! | gamebiz
オンラインに続く3Dチャパ王第2弾である。
その辺に突っ立っていただけのオンライン王とは違い、きっちり戦闘シーンもある。
動画を見る限りではモデル・モーション共になかなかの出来栄え。
ぜひ日本国内でも配信して欲しいものだが一向にその気配はない。完全に無になっている。
■ドラゴンボールSD
ドラゴンボール原作を元に、キャラをSD化してギャグ要素を増やした漫画作品。
チャパ王は第22回天下一武道会で登場。
原作に近い戦闘シーンに加え、アントン・ザ・グレート、パンプット、マシリトなどと髪型が似ている事を指摘されるシーンが追加されている。
その他、ナムに似ている(そんなに似ているか?)事をネタにしたギャグシーンや、天津飯の技を見て八手拳に似ている事を驚くシーンなどが追加で描かれている。
ちなみにこの作品、チャパ王が8ページくらい出演しているにも関わらず、ピッコロ大魔王編~第23回天下一武道会は丸々カットされている。
扱いで言えば ピッコロ大魔王<チャパ王 となる。
■その他
グッズ
一番くじ倶楽部 | 一番くじ ドラゴンボール EX 摩訶不思議大冒険
今年になって初の立体化。800円くらいで転売されている。
カードダスやトレーディングカードも何点か出ている。
「こぞう、いい気になるなよ」というセリフが書かれているが原作・アニメにこんなセリフは一切ない。
強いて言えばセルが「いい気になるなよ こぞう・・・」と発言している。
つまりセルの細胞の中には・・・いや、やめておこう。
スーパーバーコードウォーズというバーコードバトラー的なゲームで使用するカード。参る!
1枚目と同じシーンから切り抜かれたイラストが使われている。
King Chappa | Dragon Ball Wiki | Fandomより
海外のカードゲームにも登場。チャパ王の英名はKING CHAPAとKING CHAPPAで表記ゆれが度々見られる。
と思っていたら、こちらでは貴重な描き下ろしイラストが使われている。
「このキャラの破壊時」という、やられる前提の効果を持っているあたりチャパ王らしいと言える。
DRAGON BALL 冒険 SPECIAL
1987年に発売されたらしい週刊少年ジャンプ編集の書籍。
「男の履歴書」というキャラクターのプロフィールを紹介する欄でチャパ王の事も解説されている。
住所がSSR249905C、身長185センチ、体重82キロ、43歳(初登場時)などの個人情報の他、家族構成(妻ルーナ(39)、長男サパ(15)、長女ペルカ(13)、次男チャプ(10))や飛竜拳という謎の得意技など他では見られない貴重な設定も載っている。
ちなみに性別が男であることも明記されている。右乳首が丸出しなので女性でなくて安心だ。
とよたろうが描いてみた!!
漫画版『ドラゴンボール超』を連載しているとよたろう氏のイラストが公開されている。
年老いて白髪になったチャパ王がウーブを鍛えている、という内容。
なお、これはとよたろう氏が想像で描いたものであり公式設定ではないため注意。
以上が現在確認できているチャパ王の活躍である。
想像以上に登場作品が多かった事だろう。筆者もこんなに長くなるとは思わなかった。
皆様もぜひ、アフロにヒゲのインド僧侶風の武道家を見かけたら
「あれチャパ王じゃないか?」
と言ってみて欲しい。
今日はここまで。
2022/8/30追記
ドラゴンボール公式サイトでついにチャパ王が紹介された。
我々の活動が実を結んだのだ。
ウィークリー☆キャラクター紹介!第69回目は「チャパ王」! #dragonball #ドラゴンボール https://t.co/kFh7cwJxcJ
— ドラゴンボールオフィシャル (@DB_official_jp) 2022年8月30日
これでもう、チャパ王とナムを間違える人もいなくなる事だろう。
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